加齢黄斑変性治療;抗血管新生薬療法(抗VEGF薬硝子体内注入)について

# Age-Related Macular Degeneration Preferred Practice Pattern(R)
  2019 by the American Academy of Ophthalmology Published by Elsevier Inc.
  http://dx.doi.org/10.1016/j.ophtha.2019.09.024 ISSN 0161-6420/19



■ 脈絡膜新生血管(Choroidal Neavasucularization; CNV)が網膜色素上皮の基底膜に相当するブルッフ膜を貫き、網膜色素上皮下に居座るものをType1 CNV と分類しています。
#1 新生血管型加齢黄斑変性の診療ガイドライン
  https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/news/nAMD2024.pdf
#2 Double-Layer Sign and Type 1 CNV; Philip J. Rosenfeld, MD,Phd, et al
  https://www.retina-specialist.com/article/doublelayer-sign-and-type-1-cnv
■ Double-Layer Signの高さや網膜下液量がAMDの疾患活動性を示唆する所見と考えます。

■ 当院では、滲出型加齢黄斑変性に対し、眼科用VEGF(vascular endothelial growth factor;血管内皮増殖因子)阻害剤であるラニビズマブ(ルセンティス(R)やラニビズマブBS(R))、アフリベルセプト(アイリーア(R))、さらには、眼科用VEGF/Ang-2(Angiopoietin-2)阻害剤であるファリシマブ(バビースモ(R))という薬剤を用いた抗VEGF薬の硝子体内注入により、脈絡膜の血管新生を消退させ、加齢黄斑変性の視力の維持や改善を図っております。

■ また、日本眼科学会の「黄斑疾患に対する硝子体内注射ガイドライン」に準じ、 手術室にて抗VEGF薬硝子体内注入を行っております。

■ AREDSのカテゴリー3(多数の中型ドルーゼン、1個以上の大型ドルーゼンまたは中心窩外の地図状萎縮)に相当するintermediate(中期)AMDでは、抗酸化物質(ビタミンC・E)とミネラルそしてルテインとゼアキサンティンの摂取で、advanced(進行期)AMDへの進行リスクが約25%減少することが、AREDS2の研究で分かりました。一方、AREDSのカテゴリー2に相当するearly(早期)AMDでは、抗酸化物質(ビタミンC・Eとベータカロチン)とミネラルの摂取で、intermediate AMDへの進行を抑えることはできないこともAREDSの研究で分かり、intermediate AMDに至らないステージでは、抗酸化物質とミネラルの摂取により恩恵を得るという支持するエビデンスはありません。
# Age-Related Macular Degeneration Preferred Practice Pattern(R)
  2019 by the American Academy of Ophthalmology Published by Elsevier Inc.
  http://dx.doi.org/10.1016/j.ophtha.2019.09.024 ISSN 0161-6420/19
2024年06月26日 記