Advanced(進行期)AMDへのリスク評価について
 新生血管型AMD (neovascular AMD) や萎縮型AMD (geographic atrophy) といったadvanced AMDに進行するリスクを簡略化したスケールで評価したものです。

Advanced AMDへの5年危険率(%)
リスク因子 どちらの眼にも
advanced AMDを有さない場合
すでに片眼に
advanced AMDを有する場合
0.4  
3.1  
11.8 14.8
25.9 35.4
47.3 53.1
■ 例えば、3リスク因子では、いずれの眼にもadvanced AMDがない場合は、片眼あるいは両眼の advanced AMDへの5年危険率は25.9%となり、片眼にadvanced AMDがある場合は、その僚眼でのadvanced AMDへの5年危険率は35.4%と評価されます。

1)リスク因子
(1)大型ドルーゼンが認められた場合(各眼)、+1
(2)網膜色素異常が認められた場合( 各眼)、+1
(3)どちらの眼にも大型ドルーゼンは認めないが、
   両眼に中型ドルーゼンが認められた場合、+1
(4)新生血管型AMDを認められた場合(各眼)、+2

■ ドルーゼンの範囲は黄斑部の中心から視神経乳頭の2乳頭径以内に定め、その大きさは、視神経乳頭境界部の網膜静脈の幅(約125マイクロメーター)か、 視神経乳頭の直径(約1500マイクロメーター)で定めます。

2)ドルーゼンの大きさ
(1)大型ドルーゼン(large drusen):125マイクロメーター以上
(2)中型ドルーゼン(mdedium drusen):63マイクロメーター以上
   〜125マイクロメーター未満
(3)小型ドルーゼン(Small drusen):63マイクロメーター未満


<大型ドルーゼンの症例>
+1 for rightr eye with large drusen


+1 for left eye with large drusen

■ A Simplified Severity Scale for Age-Related Macular Degeneration
  AREDS Report No.18 Age-Related Eye Disease Study Research Group
  Arch Ophthalmologist. 2005 Nov; 123(11) 1570-1574
  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1473206/

■ 当院では、充血や眼脂を主訴とする場合や瞳孔が小さい為に眼底カメラでの評価が困難な場合を除き、 通常のルーチンな眼底検査と共に眼底カメラを用いて、ドルーゼンや網膜色素異常の有無や大きさで、 黄斑部の中心を含んだadvanced AMDへ進行するリスクを評価しています。

2024年05月10日 記